覚え書きノート
号外 脇山邦子さんの青春
前々から気になっているとらやの「友ちゃん」の役者名がわかりました!!
第2作から第5作までずっととらやの店員さんとして
出演され、セリフも時々もらい、かなりの頻度でスクリーンに映りこんでいるにも
関わらず誰一人役者さんの名前がわからないという状態が続いていた。
一応第4作ではたった1回だけ『ともちゃん』とおいちゃんに呼ばれていたのだ。
脚本にもこのシーンでは『友ちゃん』という漢字が当てがわれていた。
いきなりこの店員さんがドーンとアップで映り、
友ちゃん「お待ちどうさまでした」というセリフを貰っていた。
そしてそのあとすぐ、2作〜5作の中で一番長いセリフ。
友ちゃん「おかみさん、お店のお客さんビール1本」
2作、3作、4作、5作、と「友ちゃん」は店員さんゆえに後の「カヨちゃん」くらいには
けっこうスクリーンにたくさん映るのだ。
第3作「フーテンの寅」でのセリフ
友ちゃん「お待ちどうさま」
なんと渥美さんとの掛け合いも一箇所だがあるのだ。↓
寅「お茶、さっさと注いで」
友ちゃん「あ、はい」
第4作「新.男はつらいよ」でのセリフ
友ちゃん「お帰んなさい」
友ちゃん「じゃ、お先に失礼します」
けっこう渥美さんの近くで演技している友ちゃん。
雨の日にお客さんが少なくて、何かを編んでいる友ちゃん↓
そしてこの第4作で大きな出来事が起こる。
彼女に「名前」が誕生するのだ!!
森川おいちゃん、「表のほうを見ねえようにしてりゃきっと入って来るよ、
友ちゃん向うへ行ってな、さ、早く。」
友ちゃん「はい、はいはい」と向こうに走って行く。
これは友ちゃんにとって一番目立ったシーンだったと思う。
第4作「新.男はつらいよ」では
このようにスクリーンでかなり目立っている友ちゃんだった。
出前も暑い中一生懸命こなしていた↓
第5作「望郷編」では
目立ったセリフは何もないが、
今までの中で一番しっかりスクリーンで映る。
それがこのカット↓
で、なぜフルネームがわかったかというと、
高羽撮影監督さんが大事に保管されていた台本48作品分が
私の絵画の展覧会の会場で1日飾られたのだ。
これは高羽哲夫記念館との交流事業として、
寅さん記念館で台本や撮影記録アルバムなどの特別展示があったのだ。
なにげなくペラペラ台本を見ているうちに、あの友ちゃんのことを思い出し、
もしやと思ってキャストの欄をチェックしてみた。
第4作「新.男はつらいよ」のキャストの欄に高羽さんの几帳面な書き込み!!↓
第2作、第3作、第5作には「脇山」の名前は無かった。
高羽さんが持っていた台本は全48作品全部がそろっている。
第一稿や改訂稿なども時々ある。
とにかく、姓は「脇山」とわかった!
それであらためて第2作「続男はつらいよ」をみて見るとクレジットが出ていた!
第3作「フーテンの寅」もクレジットが出ていた!
第4作「新男はつらいよ」もクレジットが出ていた!
インターネットで検索してもまったくお顔が出てこないし、
いろいろな活動記録がほとんど出てこないのが残念だ。
それでも脇山邦子さんにとってあの「男はつらいよ」での4作品の出演は
まさに「輝かしき青春の日々」だったのではないだろうか。
とにかく、脇山邦子さんとわかったのは大きな前進である。
今彼女はどうしていらっしゃるのだろうか。
脇山さんは、現在はおそらく65歳〜70歳くらいだと思われる。
調査はこのあとも続いていく。